インタビュー:円安進行、日本経済に好影響=篠原IMF副専務理事

ロイター編集
インタビュー:円安進行、日本経済に好影響=篠原IMF副専務理事
4月16日、IMFの篠原副専務理事はロイターとのインタビューで、最近の円安は日銀が導入した大規模な緩和策など「金融政策の結果」だとしたうえで、日本経済全体に好影響を与えるとの考えを示した。写真は2010年9月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)
[ワシントン 16日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)の篠原尚之副専務理事はロイターとのインタビューで、最近の円安は黒田東彦総裁率いる日銀が導入した大規模な緩和策など「金融政策の結果」だとしたうえで、日本経済全体に好影響を与えるとの考えを示した。
急ピッチの円安進行には海外の一部当局者から懸念の声も出ているが、円相場は「大きな動き」ではあるものの、乱高下ではないと指摘した。
副専務理事は、昨年初から円相場の実効レートは約2割下落しており「大きな動きであることは間違いない」と分析。だが、円安の進展は「全体として見れば日本経済にとってプラス」だとして「日本経済が回復すれば、世界経済にとっても望ましい」と容認する姿勢を示した。
円安進行の理由についても、日銀の「金融政策の結果として生じている」として、最近の円相場の動きは「(乱高下)ではない」と強調。緩和的な金融政策を導入した国の通貨が下落することは「どの国でも起こる。それ自体を否定する必要はない。為替を含むさまざまな緩和効果の結果、経済が強くなることが期待される」と述べ、日本経済の回復に期待を示した。
<国債金利の大変動、「ある程度仕方ない」>
日銀が新たな緩和策を導入した後、国債市場で金利が大きく変動していることには「今回の政策はメッセージ性に重点を置いているため、大規模な国債購入を(日銀は)決めた。市場が慣れるには時間がかかる。ある程度の混乱が生じるのは仕方がない。市場とのコミュニケーションが大事」と話した。
<日銀の緩和策「大歓迎」>
日銀の新たな緩和策は「大歓迎」と前向きに評価。同時に、政府に対して「構造改革や規制緩和を進める必要がある。中期的な観点から、信頼に足る財政再建計画の策定もしないといけない」と注文をつけた。
大規模な緩和策が生み出す長期的なリスクとして、副専務理事はインフレ期待が上昇しなかったり、経済の回復が進まなかった場合に「緩和政策が長期化して、財政健全化の進展が遅れるおそれ」があることを挙げた。そうした状況になると「日銀が政府債務をマネタイズしていると市場に受け止められ、長期金利が跳ね上がるリスクがある」と警告した。
<日本発の資本移動、現時点では確認されず>
日銀の緩和策が、世界的な資本移動に波及する効果(スピルオーバー)に関しては「日本からの資金流出は現時点であまり起きていない」という。ただ「将来的には新興国に向けた資金の動きが出てくる。より成長力の高い国へ資金が流れる」可能性に言及した。
<難しい出口戦略、日本は慎重に議論を>
大規模緩和からの出口戦略については「議論をするのは早すぎる」としたものの「いずれいろいろなオプションを検討し、市場とコミュニケーションを取ることが大事。大規模な量的緩和後の出口戦略が難しいのは事実だ。慎重に方策を議論すること」と忠告した。
(ロイターニュース 木原麗花;記事作成 基太村真司;編集 田中志保)

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