12月9日、大揺れの米ヤフーは、中国アリババ・グループ・ホールディング株のスピンオフ計画を撤回し、代わって住宅情報検索や広告などの事業の切り離しを検討すると発表した。写真はヤフーのロゴ。カリフォルニア州の本社で2013年4月撮影(2015年 ロイター/Robert Galbraith)
Jennifer Saba
[ニューヨーク 9日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 大揺れの米ヤフーは9日、中国電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング株のスピンオフ(分離・独立)計画を撤回し、代わって住宅情報検索や広告などの事業の切り離しを検討すると発表した。ヤフーの中核事業のまっとうな落ち着き先は、著名実業家バリー・ディラー氏が率いるインターネット複合企業IACインタラクティブかもしれないし、通信大手ベライゾン・コミュニケーションかもしれない。
ヤフーは何かを売却するかどうかまだ決めていないと述べている。しかしヤフーの取締役会が広告・ネット検索部門を切り離せば、ヤフー買収の機が熟すだろう。
同社の現在の時価総額はおよそ330億ドルだが、その大半はアリババ株が占める。ジェフリーズによれば、検索・広告部門の評価額は30億ドル程度にすぎない。
ヤフーは2008年にマイクロソフトが持ち掛けた446億ドルの買収提案を拒否してからというもの、身売り話が付きまとっている。何年にもわたり経営は苦しく、経営トップが頻繁に交代。過去10年間に6人が最高経営責任者(CEO)に就き、経営戦略の軌道修正が困難な状態に陥った。
しかし潜在的な買い手は目白押しで、IACが展開する年期の入った、多様なネット関連事業との相性は良さそうだ。IACはヤフーの競合相手である検索サイト「アスク・ドット・コム」などを手掛ける。9日にはIACパブリッシングの創設を発表、ブログサイト「デーリー・ビースト」などのブランドを統合し、米国内の月間ビジター数は推計1億人に達するとぶち上げた。調査会社コムスコアによると、ヤフーの月間ビジター数は現在2億人。
ベライゾンも候補から外せない。フラン・シャンモ最高財務責任者(CFO)は7日の投資家との会合で、ヤフーの検索・広告事業の買収を検討する可能性を示した。ベライゾンは6月、ヤフー同様に経営不振のネット大手AOLを44億ドルで買収している。
この数年、ヤフーとAOLが事業統合すれば単独の状態よりも顧客数が大幅に増える見通しだとして、この組み合わせをはやす声が多く聞かれた。しかし今ここに至っては、ヤフーにとってはどこと組もうとも、それが正解ということになりそうだ。
●背景となるニュース
*米ヤフーの取締役会は9日、中国電子商取引大手アリババ株のスピンオフ(分離・独立)計画の撤回を決めたと発表した。代わりに検索や広告など他の中核事業のアリババからの切り離しを検討するとした。
*ヤフーはまた、オンライン決済サービスのペイパルの幹部からヤフーの取締役に転じたマックス・レブチン氏から、別の職務に専念したいとして辞任の申し出があったことも明らかにした。
*ヤフーの発表と米当局への申請書類は以下のアドレスをクリックしてご覧ください。
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