ドイツ首相・連銀総裁、ECB買い入れ拡大を拒否

ロイター編集
ドイツ首相・連銀総裁、ECB買い入れ拡大を拒否
 12月14日、ドイツのメルケル首相とドイツ連銀のバイトマン総裁は、欧州諸国は財政規律の強化を進めるべきだと主張、ECBの国債買い入れ拡大に反対する姿勢をあらためて示した(2011年 ロイター/Tobias Schwarz)
[ベルリン/フランクフルト/ロンドン 14日 ロイター] ドイツのメルケル首相とドイツ連銀のバイトマン総裁は14日、欧州諸国は財政規律の強化を進めるべきだと主張、欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れ拡大に反対する姿勢をあらためて示した。
メルケル首相は議会で、債務危機の解決には数年かかると指摘。「必要な忍耐と我慢強さを持てば、逆戻りの動きに抵抗すれば、財政・安定同盟に向けて一貫して進めば」欧州は強くなれると発言。「ドイツ政府は、欧州債務危機を一度に解決することはできないとの立場を常に表明してきた。一度に解決することはできない」と述べた。
ECB理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁も14日、記者団に対し、ECBの国債購入拡大にあらためて反対するとともに、国際通貨基金(IMF)への融資枠拡大は、欧州以外の国も資金拠出を行う場合に限り実行可能との考えを示した。
総裁は記者団に対し、ECBの責務により国債の無制限購入はできないとし、実施すればインフレ高進は免れないことを過去の経験が証明していると指摘。「規則を破ることで信頼を獲得できるというのは、驚くべき考えだ」と述べた。
また周辺国への支援を拡大するようECBへの圧力が高まっていることについては、アルコール依存症患者を引き合いに出し「明日から酒を断ち、ルールを守るから今夜は飲ませてくれとせがむアルコール依存症患者に対し、酒を与えることが賢明な判断だと思わない。患者の問題解決への意欲を損ねてしまう」と述べた。
欧州首脳が前週の首脳会議で、財政規律の強化で基本合意したことについては「正しい方向に向かっている」としたが、合意を受けて、ECBが責務の領域を超えた国債購入拡大に乗り出すと期待すべきではないとした。
IMFへの融資枠拡大については「米国などの主要出資国が融資枠を拡大しなければ、国家の財政支援に限りなく近くなる」とし、他の欧州連合(EU)諸国および域外国も協調し同様の措置を取る場合に限り、IMFへの融資枠を拡大するとした独連銀の条件が「非常に重要になってくる」と述べた。 その上で「条件が満たされなければ、融資枠拡大を認めることはできない」と言明した。
<ユーロ下げ止まらず、イタリア国債入札落札利回りは最高更新>
この日の外為市場ではユーロが下落、1月以来初めて1ユーロ=1.30ドルを割り込んだ。株式市場も下落。イタリア政府が14日実施した5年債入札は、利回りがユーロ導入以降の最高水準を更新した。
イタリア5年債入札の利回りは6.47%。1カ月前に実施した入札の平均利回り6.29%からさらに上昇した。発行額は30億ユーロで、目標レンジである20億―30億ユーロの上限となった。イタリアは、市場で圧力が高まっていることから入札規模を縮小しているが、来年約4400億ユーロの資金調達を達成するには、今後数カ月間に発行額を増やしていく必要がある。
一方、ドイツ政府は、この日実施した2年債入札で、41億8000万ユーロを発行した。平均利回りは0.29%と、11月11日に実施した前回入札の0.39%から低下した。慎重になっている投資家がリターンよりも安全性を重視し、超低金利を受け入れている様子が浮き彫りになった。 応札倍率も1.4倍に上昇。前回の入札は1.1倍だった。
<英は孤立回避を探る>
キャメロン英首相は14日、チェコのネチャス首相、スウェーデンのラインフェルト首相と相次いで電話会談を行った。
英国は先のEU首脳会議でEU条約の改正に反対。英国を除く26か国は、EU枠外で新条約の締結を目指す方針で合意したが、このうち、チェコとスウェーデンは新条約への参加を見送る可能性が指摘されている。電話会談はEU内での孤立回避を目指す動きとみられる。
キャメロン首相は13日にはアイルランドのケニー首相とも電話会談。アイルランドは、EUの金融取引税導入案が自国の金融業界に悪影響を及ぼすとの懸念を示している。
首相報道官は「各会談では、雇用促進や単一市場を通じた成長など、EUの問題について今後さらに緊密に協力することで合意した。欧州経済の優先課題は引き続き、欧州債務危機に対する断固とした、総合的な対策と競争力の強化だとの認識で一致した」と述べた。
ユーロ加盟17カ国以外で新条約に参加する国のうち、スウェーデン、ハンガリー、チェコなどは新条約を全面的に支持するために議会での承認が必要になる。
スウェーデンのラインフェルト首相は13日、新条約に同国が署名するかどうかは不透明だと述べた。
*内容を追加して再送します。

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