アルゼンチン国債の売り加速、債務返済めぐる米判決でデフォルト懸念拡大

ロイター編集
[ロンドン 22日 ロイター] 債券市場でアルゼンチン国債への売りが加速している。債権者の扱いをめぐり同国政府に不利な決定を米裁判所が下したこと受け、デフォルト(債務不履行)への警戒感が高まっているためだ。
22日の債券市場でアルゼンチン国債は、JPモルガンのEMBIグローバル・ソブリン債指数に対するスプレッドが55ベーシスポイント(bp)急拡大し、利回りは米国債を12%ポイント上回る水準となった。
2002年に大規模な債務不履行を起こしたアルゼンチンが再びデフォルトするのではとの懸念を背景に、利回りスプレッドは10月上旬以降300bp拡大している。
またマークイットによると、10月上旬時点で1000bpを下回っていたアルゼンチン国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は現在2400bpを超え、2009年5月以来の高水準に迫っている。
ニューヨークの米連邦地裁は21日、アルゼンチン政府に対し、2005年と2010年に実施した2回の債務再編に参加しなかった債権者に直ちに返済を行うよう命じる決定を下した。
アルゼンチンは控訴する意向を示しているが、地裁の判決が支持され、アルゼンチンがそれに従わなければ、米裁判所は債務再編に応じた債権者に対する支払いを差し止める可能性があり、過去の債務交換で発行された約240億ドルの国債についてテクニカルデフォルトが発生する恐れがある。
フェルナンデス大統領は債務再編に参加しなかった債権者には「1ドルも」支払わないと言明しており、早ければ12月にもデフォルトが発生する可能性がある。
アルゼンチンは12月2日に4000万ドルの利払いを控えるが、同月15日に期限を迎える30億ドルの返済をめぐり一部で懸念が高まっている。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(ロンドン)の新興国債券部門責任者サム・フィンケルスタイン氏は、アルゼンチンについて「非常に慎重なポジション」をとっているとし、「法的リスクが大きい上に、アルゼンチンが債権者問題への対処ではなくデフォルトを選択する可能性も小さくない。同国には全債権者に返済する資金があるが、実際に支払うかどうかは政治的な決定だ」と述べた。

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