9月17日、ブラジルのルセフ大統領は、10月に予定していた米国への公式訪問を取りやめた。ブラジリアで2日撮影(2013年 ロイター/Ueslei Marcelino)
[ブラジリア 17日 ロイター] - ブラジルのルセフ大統領は、10月に予定していた米国への公式訪問を取りやめた。米政府が大統領の個人的な通信などを傍受していたとされる問題が引き金となった。
オバマ米大統領は16日夜、ルセフ大統領と20分にわたり電話会談を行い、説得に当たったものの、翻意には至らなかった。
ブラジル大統領府、米ホワイトハウスはともに、訪米は「延期」と説明し、後日実現する見通しとしている。
ただ、関係筋がロイターに対し明らかにしたところによると、ルセフ大統領が近く訪米する公算は小さい。また、ブラジル政府高官によると、ダ・シルバ前大統領や補佐官らが大統領に訪米中止を促した。
2011年のルセフ大統領就任以降、ブラジルと米国の関係は改善に向かっていた。だが、米国家安全保障局(NSA)がルセフ大統領と側近の電子メールやテキスト・メッセージ、電話を監視していたとの報道を受け、状況は一転した。
米当局はNSAの活動がテロ行為の監視に限定され、個人的な通信などには及んでいないと説明したものの、ルセフ大統領を納得させるには至っていない。
NSAの監視に関する報道は、NSA元契約社員のエドワード・スノーデン容疑者から入手した資料に基づいている。
ルセフ大統領による今回の訪米は、石油探査やバイオ燃料関連技術に関する提携や、ブラジルによる米ボーイングからの戦闘機購入に向けた下地を整えるものになると想定されていた。
ブラジル空軍はボーイングから40億ドル相当の戦闘機の購入を計画していたものの、ブラジル当局者は米政府による監視活動が明るみに出たことを受け、信用の置けない国から戦略的な航空機を購入することはできないとの見方を示している。
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