海外売上2ケタ伸び維持したい、M&A含め検討=NTTコム社長

ロイター編集
[東京 24日 ロイター] - 19日付で就任したNTTコミュニケーションズ(NTTコム)の庄司哲也社長は24日、ロイターとのインタビューで、グローバル事業の売上高について、最低でも2ケタの伸びを維持していきたいとの考えを示した。
同社はM&A(企業の合併・買収)などにより海外事業を拡大させており、2016年3月期の海外売上高は前年比16.1%増の3340億円を計画している。庄司社長は今後の見通しについて「今年度も15%以上の伸びを計画しているが、2ケタの伸びは維持していかないと持ち株の中期計画数字には貢献できない」と述べ、最低でも2ケタ成長を維持する考えを示した。
NTT<9432.T>は5月に発表した中期経営計画で、2018年3月期に海外売上高220億ドル(1ドル124円換算で2兆7280億円)を目標に掲げた。15年3月期は150億ドル(同1兆8600億円)のため、目標を達成するためには今後3年間で70億ドル(8680億円)上積みする必要がある。
庄司社長は、「2ケタ成長を維持するための方法論として、M&Aも含めてパートナリングなど海外で何をすればいいのかを(年度末までに公表する)次のビジョンで示していきたい」と語った。同社とNTTが2010年に買収した南アフリカのディメンションデータ、それにNTTデータ<9613.T>の間で互いに顧客を紹介しあう「クロスセル」による受注額は昨年度末に累計2億8000万ドル(同347億円)にのぼっており、こうした取り組みも強化しながら売上拡大を図っていく方針だ。
ただ、グループの海外展開をめぐってはNTTコムとNTTデータとの重複感も指摘されている。庄司社長は「われわれもなんとかしたいと思っているが、アセットやリソースのタブリがあったときの整理の仕方は、まだわれわれ自身には案がない。持ち株がそういう問題意識を持って、われわれも持った以上、何らかのアクションを起こしていかなければいけないステージに入った」との認識を示した。
NTTグループをめぐっては、東西地域会社が光回線の卸売ビジネス(光コラボ)に大きく舵を切ったことで、機能面での再編議論が再び活発になっている。卸を利用してNTTドコモ<9437.T>が念願だった光通信サービスを開始したことを受け、グループ内からは個人向け向けサービスはドコモ、法人向けサービスはNTTコムに集約すべきとの意見も聞かれる。これについて庄司社長は「光コラボが落ち着いたときにそういう議論がなされるべきだと思っている」と述べ、現時点で再編を急ぐ必要はないとの認識を示した。「光コラボが始まり、ドコモ光でOCNを売ってくれたりする中で、われわれのサービスは減少するどころかむしろ増えている。増収基調がある間は持っていたい」と本音をのぞかせた。ただ「長期的にみると(コムが手掛けるOCNやぷららといった)ISP事業は本当に成り立つのか。儲かるようにするためには、われわれがやった方がいいのか、違う仲間にやってもらった方がいいのかという選択をしなければいけないときがくるだろう」との見通しを示した。
強化しているクラウド事業については「トレンドは20%以上の伸びできているので、このペースを維持したい」と意欲を示した。同事業は2016年3月期に前年度比24.2%増の1720億円を見込んでいる。

志田義寧

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