記者
日銀の追加利上げは「サスペンド」状態にある。25年春闘の賃上げ率など国内要因は追い風だが、「トランプ関税」にまつわるリスクの見極めが必要で、様子見となっている。
金融市場に身を置いてさまざまなニュースに日々接していると、政策金利に関する日銀の「次の一手」は、今回の局面で4度目となる利上げではなく利下げではないかという声が、最近しばしば浮上するようになったことに気付く。「トランプ関税」の問題から内外経済の先行きが不透明になっていることが、その大きな理由だろう。
金利・為替市場で3月中旬に最も注目されたのは、「トランプ関税」の情報を別にすれば、日米中銀トップが3月19日に行った記者会見だろう。FRBと日銀が政策金利をどう動かすのかが、金利差の変動などを経由し、ドル/円相場を大きく左右する。
昨年7月から今年1月までの6カ月間よりも短いインターバルで、日銀は次の利上げに動くのではないか。日銀が今回の局面で目指す利上げの終着点(いわゆる「ターミナルレート」)は、中立金利推計の集計レンジ下限である1.0%よりも高くなるのではないか――。
筆者は昨年12月24日に寄稿した際、日銀が追加利上げに関して考えそうな点として、以下の3つを指摘した。(1)利上げに動けるうちに「のりしろ」をできるだけ作っておきたい。(2)説明をつけにくい(納得が得られにくい)利上げは望ましくない。(3)「政治との間合い」も現実としてケアすべき問題。
2024年は、マイナス金利解除、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)撤廃、長期国債買い入れ減額、追加利上げと、日銀による金融政策正常化方向のステップが踏まれた。25年も、日銀の動きが金利・為替など各市場に及ぼす影響は大きくなると予想される。
11月に行われた米大統領選で共和党のトランプ候補が勝利し、上下両院も共和党が過半数を制する「トリプルレッド」になったことを受けて、金融市場で米国株買い、米国債売り、ドル買いなどが進行した。いわゆる「トランプ・トレード」である。
10月27日の衆院選で与党の獲得議席は過半数を大きく割り込み、自公は野党の一部との連携を模索せざるを得なくなった。連携する政党の最有力候補とみられているのが、「対決より解決」を掲げて今回の選挙で躍進した国民民主党である。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が9月18日に決定した利下げの幅が、通常の25ベーシスポイント(bp)ではなく、倍の50bpになったことについて、さまざまな観測が流れている。
国内政治の一大イベントである自民党総裁選挙の日程が、9月12日告示、27日投開票に決まった。選出される新たな総裁が、臨時国会召集と首相指名選挙を経て、次の内閣を発足させる見通しである。
米大統領選に向けた第1回テレビ討論会でのバイデン大統領の失態と民主党内の混乱、そしてトランプ前大統領の暗殺未遂事件を経て、足元の金融市場は11月のトランプ候補勝利を暗黙の前提にしながら動くようになっている。上野泰也氏のコラム。
フランスの政治情勢が不透明感を増しており、日本を含む世界の金融市場が揺さぶられている。反EUの色彩を帯び、財政赤字増大につながる政策を主張している極右「国民連合」が、下院選挙で勝利して組閣する可能性が意識される状況である。
昨年12月に「次は利下げ」という政策運営方針に切り替えた米連邦準備理事会(FRB)だったが、今年に入るとインフレ率の下げ渋りが明確になったことから、いわば「仕切り直し」を余儀なくされた。