米ウクライナ首脳会談:識者はこうみる

[28日 ロイター] - 28日に米ワシントンのホワイトハウスで会談したトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は、記者団の面前でロシアへの対応などを巡り厳しい言葉の応酬を交わした。米当局者によると、ゼレンスキー氏は合意文書に署名せず、ホワイトハウスを後にした。
市場関係者に見方を聞いた。
◎投資家は事態の展開見極め
<フロント・バーネットのシニア・マネジング・ディレクター、マーシャル・フロント氏>
投資家としてはすぐに結論に飛びつくのではなく、結果がどうなるか見守る必要がある。トランプ米大統領もゼレンスキー・ウクライナ大統領も何かを成し遂げたいと考えており、プーチン・ロシア大統領も同様だ。問題はどこに落ち着くかだが、今はまだ分からない。
トランプ氏のウクライナ政策転換は多くの不確実性を生み出している。不確実性は市場が嫌うものだ。(投資家は)多くの情報がないまま、事態がどう展開するかを見極めようとしている。
◎米市場の関心は関税
<BMOプライベート・ウェルス(ミネソタ州ミネアポリス)のチーフマーケットストラテジスト、キャロル・シュライフ氏>
米市場は引き続き、関税政策(いつ、誰が、どれだけの関税をかけるのか)、そしてそれが企業活動や消費者の消費と信頼感にとって何を意味するのかの方により注目するだろう。 米国の投資家(および有権者)の多くは、身近なところで何が起こるかに注目しており、ロシア/ウクライナは、非常に長い間、世界的な関心事の一つに過ぎなかった。
他方、ウクライナの防衛やロシアへの対処が欧州に委ねられることがますます明白になっていることから、欧州市場はより大きな影響を受ける可能性がある。
◎実質は何も変わらず
4月16日、米政府は2022年のロシアによる侵攻以来、ウクライナに提供した支援総額の見積もりを3000億ドルから約1000億ドルに引き下げた。写真は2月、ホワイトハウスで会談するトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領(2025年 ロイター/Brian Snyder)
<50パーク・インベストメンツ(ニューヨーク)CEO、アダム・サーハン氏>
市場が当初下落で反応したのは、両首脳の間で激しい緊張した会話があったためだ。戦争について話す会談としては、一般的に良い兆候ではない。生中継を見ていれば分かったと思うが、やり取りは白熱し、非常に懸念される内容だった。ゼレンスキー大統領は米国の「仲間」とみなされているのに。
市場はその後冷静さを取り戻した。トランプ大統領はゼレンスキー氏に取引きを提案している。今は退席しても、来週には合意できるかもしれない。これで市場が崩壊するということはない。実質的には何も変わっていない。
ただし、市場はいま大きな圧力にさらされている。米大統領選後の上昇分はすべて帳消しになった。これは重要なサインで、ここ数カ月間市場をけん引してきた成長株が今や下落に転じている。カナダとメキシコに対する関税が発動されることへの大きな懸念がある。
◎米政権の予測不可能さ露呈
<チェリー・レーン・インベストメンツ(ニュージャージー州) パートナー、リック・メックラー氏>
トランプ氏の型破りな性格は、投資家にとって米政権がいかに予測不可能で不確実であるかという問題を提起した。市場は確実性・計画性を好む。
現政権では一度に多くのことが起きている。どれも前例のないことだ。そこに追い打ちをかけるように、今回の事態が発生した。
市場は、これは外交面での予見可能性や伝統的なアプローチの欠如だととらえている。
◎トランプ流の交渉術か
<ブランディワイン・グローバル(フィラデルフィア)のポートフォリオマネージャー、ジャック・マッキンタイア氏>
不安を感じさせる展開だが、これはトランプ大統領の交渉術の一環なのかもしれない。現在、市場を大きく動かしている要因は、さまざまなレベルでの不確実性であり、これはその一つにすぎない。ロシア・ウクライナ戦争の和平合意や停戦に向けて前進しているように見えたが、それが保留となる可能性があるため、幾分の不確実性を織り込む必要がある。

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