
1月8日 日銀が8日開いた支店長会議では、企業収益が高水準で推移し、人手不足感が強い状況が継続する中で「2026年度も2025年度と同程度の賃上げを行う必要があると考える企業が多い」との報告が多数出された。2017年9月、都内で撮影(2026年 ロイター/Toru Hanai)
[新潟市 12日 ロイター] - 日銀の野口旭審議委員は12日、新潟県金融経済懇談会後の記者会見で、成長率・物価ともに想定を上振れて推移しているものの、「何か大きなショックがあれば下振れしてしまうリスクの方がはるかに大きい」と指摘。下振れリスクの方を意識して政策運営することがまだ必要だと強調した。
10年金利は一時0.8%台に上昇したが、事実上の上限1%までは「まだ少し余裕がある」と指摘。「慌てて何かする必要はなさそうだ」と話し、イールドカーブ・コントロール(YCC)の再度の柔軟化に消極的な姿勢を示した。
<今年度の物価見通し、「相当引き上げざるを得ない」>
日銀は決定会合後の声明文で「必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」と明記し続けている。
野口委員は日銀の2023年度の物価見通しを「相当引き上げざるを得ない」と述べる一方、米国で賃金が大幅に上昇しているのとは対照的に、日本の場合は「上がりすぎて困るという状況とは程遠い」と語った。
10年金利の0.8%台への上昇については、「インフレ期待が上がったから(金利が)上がったというものではない」と明言。金利上昇の主因は米金利の大幅な上昇だとの認識を示した。インフレ期待は「相当上がってきているが、全体として見るとまだ弱い」と述べた。
<マイナス金利解除、2%目標実現「確実な状況」が大前提>
野口委員は、マイナス金利の解除は「2%目標の実現が確実になっている状況が大前提」と指摘した。YCCにおける長期金利の扱い、バランスシート調整、マイナス金利の解除をどういう順序でどういうタイミングで行っていくのかは経済状況によると話し、「マイナス金利解除がいつになるか、現状で話すのは難しい」とした。
(和田崇彦)
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