[シドニー 6日 ロイター] - オセアニア外国為替市場では、豪ドルが4年ぶりの高値を記録した一方、ニュージーランド(NZ)ドルは2カ月ぶりの高値に迫った。米国とイランの和平合意が間もなく成立するとの期待感が背景にある。
トランプ米大統領は5日、イランとの包括的合意に向けて「大きな進展」があったとして、ホルムズ海峡の船舶航行を支援する作戦「プロジェクト・フリーダム」を短期間停止すると表明した。
豪ドルは対米ドルで0.8%上昇し、0.7240米ドルと、2022年6月以来の高値を記録した。次の上値抵抗線は0.7283米ドルになる一方、0.71米ドル付近に堅調な下値支持線が見られる。
NZドルも0.7%上昇して0.5927米ドルとなったが、0.5929米ドル付近で抵抗線に直面している。この水準は、過去1カ月で何度も突破に失敗している。NZドルは前日は0.3%上昇していた。
オーストラリア・コモンウェルス銀行のシニアアナリスト、マディソン・カートライト氏は「(米軍の)作戦が再開される可能性はあるものの、継続する紛争がもたらす経済的・政治的コストが甚大であるため、トランプ大統領は停戦の維持を優先すると予想される」と指摘。「われわれは引き続き、5月末かその直後に紛争が解決に向かうと予想している」と語った。
ニュージーランドでは、この日発表された雇用統計で第1・四半期の失業率が10年ぶりの高水準だった5.4%から5.3%へと予想外に低下した。だが、雇用者数はわずか0.2%増にとどまり、市場予想を下回ったことから、労働市場は依然として弱い状態にあることが示された。
雇用統計の結果を受けて、ニュージーランド準備銀行(中央銀行)の政策金利見通しに変化はなかった。スワップ市場では、中銀が5月に利上げを行う確率は34%と見込まれている
が、イラン情勢によるインフレリスクの高まりを受け、7月までの利上げは完全に織り込まれている。
NZ中銀は金融安定に関する報告書の中で、世界的なリスクが高まる中、金融システムは依然として強靭さを維持していると指摘した。ただ、景気回復のペースはやや鈍化し、雇用増加に影響を与える可能性があるとした。
オーストラリアでは、今年3回の利上げにより豪中銀がイラン情勢の推移を見守る余地が生まれたことを受け、6月に再び利上げを行う確率は約20%とスワップ市場で予想されている。
しかし、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は6月にさらなる利上げが必要だと予想して市場を驚かせた。NABは、4.35%の政策金利では依然として引き締めが不十分だとした。同行のアナリストはリポートで「最終政策金利が4.6%になれば、年末時点の実質政策金利は約1%、2027年半ばには1.5%近くになるだろう。これらは過去の経験と比較して実質政策金利としては高い水準であり、引き締め的な金融政策を反映するものだと考える」と述べた。
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