コラム:米国で牛肉高騰、消費者の選択は鶏肉へ 牛の飼育頭数は1951年以来最低水準に

コラム:米国で牛肉高騰、消費者の選択は鶏肉へ 牛の飼育頭数は1951年以来最低水準に
 5月23日、米国の牛肉価格が高騰している。牛の飼育頭数はトルーマン政権時代以来最小規模にまで縮小し、夏のバーベキューシーズンを前に価格が上昇している。テキサス州ストウェルで2018年6月撮影(2025年 ロイター/Jonathan Bachman)
[ニューヨーク 23日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米国の牛肉価格が高騰している。牛の飼育頭数はトルーマン政権時代以来最小規模にまで縮小し、夏のバーベキューシーズンを前に価格が上昇している。ハンバーガーやステーキのレストランが苦戦する中、鶏肉がタンパク質市場でシェアを奪いつつある。
これは異例の事態だ。米農務省のデータによると、生牛価格は先週1ポンドあたり2.26ドル(約323円)に達した。価格は今年に入って20%上昇しており、2024年のほとんどの生産物の上昇率を上回っている。牛ひき肉の平均価格も3月に1ポンドあたり5.69ドルと過去最高を記録した。節約志向の強い消費者は、価格上昇を受け入れるか、より安価な代替品を探すかの選択を迫られている。鶏肉は豚肉、大豆、その他のニッチな選択肢に対して圧倒的に優位に立っている。
牛肉の供給量は確かに大きく減っている。長年にわたる厳しい干ばつにより、米国の放牧地は壊滅的な打撃を受け、牧場経営者は牛の減頭を余儀なくされている。農務省によると、1月に確認された牛の頭数は8700万頭で、1951年以来の最低記録となった。輸入頭数は2013年以降倍増しているが、トランプ大統領によるブラジルなどへの関税措置により、輸入量は減少する可能性がある。きょう生まれる牛が食卓に並ぶのは28年以降となるため、厳しい状況が待ち受けている。
食肉加工大手タイソン・フーズは苦境に立たされている。ドニー・キング最高経営責任者(CEO)は、同社の90年の歴史の中で最も厳しい牛肉市場だと述べ、第2・四半期の牛肉部門の損失が2億6000万ドルに達したとした。一方、鶏肉の売上増加により、200億ドル規模の同社の最終利益はウォール街の予想を上回った。
ステーキハウスも肉の価格高騰に直面している。130億ドル規模のステーキハウスのチェーン店、テキサス・ロードハウスは、牛肉価格の高騰が足かせになり始めていると指摘した。店舗レベルの利益率は今年最初の3カ月で1ポイント近く低下し、16.6%となった。同社は今年のコストインフレ率の予想を2─3%から4%に引き上げた。
今後は鶏肉が市場を席巻するだろう。公式データによると、米国の消費者は2023年に一人当たり平均約45キロの食肉用鶏肉を消費した。これは牛肉と豚肉を合わせた量にほぼ匹敵する。鶏肉は生産サイクルが約10週間と短いため、生産者は供給量の調整をより容易に行うことができ、需要が急増しても価格を安定させやすい。
投資家がこの恩恵を享受できるかどうかはまた別の問題だ。マクドナルドのようなファストフード店はメニューを刷新できるかもしれない。多くの食肉加工業者も事業を多角化している。テキサス・ロードハウスのバリュエーションは低下しているものの、株価は過去1年間で依然として14%上昇しており、ベンチマークとなるS&P500を上回っている。ビジブル・アルファのデータによると、チキンウィングチェーンのウィングストップは既に2026年の予想利益の75倍で取引されているが、成長が期待できるビジネスだ。

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筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

トムソン・ロイター

Sebastian Pellejero is a U.S. columnist for Reuters Breakingviews, based in New York. He writes about topics across business, investing, markets and technology. Prior to joining in March 2025, he worked as an equity research analyst at BlackRock and a markets reporter for The Wall Street Journal, along with stints at Bloomberg and Debtwire. He is a graduate of Wake Forest University and speaks Spanish.