
12月3日 城内実・成長戦略相(写真)は3日の衆院内閣委員会で、為替円安について、輸入物価の上昇を通じて国内物価を押し上げ、家計や企業の実質的な購買力を低下させる可能性に留意が必要である一方、輸出企業の収益にプラスの面があり、海外進出した企業の国内回帰で産業空洞化の解消にもプラスとの見方を示した。写真は2024年10月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
[東京 3日 ロイター] - 城内実・成長戦略相は3日の衆院内閣委員会で、為替円安について、輸入物価の上昇を通じて国内物価を押し上げ、家計や企業の実質的な購買力を低下させる可能性に留意が必要である一方、輸出企業の収益にプラスの面があり、海外進出した企業の国内回帰で産業空洞化の解消にもプラスとの見方を示した。
高市早苗政権の経済政策については、短期的に物価高対策を講じた上で、中長期的に日本経済の供給構造を強化しながら物価高を加速させることがないよう戦略的に投資を行う内容だと説明した。岡田悟委員(立憲)への答弁。
岡田氏は足元のようなインフレ局面では、財政・金融政策を引き締め方向に運営するのが正常な政策判断でないかと質問し、城内氏の円安やインフレに関する見解ををただした。
城内氏は、為替は内外の金利差や物価の違いなどさまざまな要因により市場で決まるものだとし、「ファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映して、短期的に乱高下するのではなく、安定的に推移することが重要」と語った。
過去に、正しい財政を学ぶ中でメディアの通説や政府の説明が正しくないことに気づき、積極財政が正しいと思うようになったと発言したことに関しては「議員個人としての過去の発言」だとして経済財政政策を担当する大臣として答弁は控えると述べた。
その上で「ばらまきや放漫財政などではなく」、財政規律派を含む学者の話や経済指標などを「しっかり踏まえながら、戦略的な財政出動を行うことが大事だと認識している」と語った。
竹本能文※
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