
城内実成長戦略相は22日の就任会見で、日銀には「物価2%目標の持続的安定的実現に向けた適切な金融政策運営に期待する」とし、政府と日銀がしっかり目標を共有し、緊密な協調を図って責任あるマクロ運営を行うと述べた。2024年3月、都内の日銀本店で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 9日 ロイター] - 安倍晋三政権で内閣官房参与を務めた本田悦朗・京大客員教授は9日、ロイターのインタビューに応じ、日本経済は回復途上の不安定な局面にあるとし、日銀の追加利上げに慎重な対応を求めた。金融市場には日銀が12月会合で政策金利を引き上げると予想する向きもあるが、「今から2カ月後に経済が劇的に変わっているとも思えない」と述べた。
自民党の高市早苗総裁に経済政策を助言している本田氏は、高市氏の金融政策に対する姿勢は「緩和派」だと説明。金融政策は日銀の専権事項と断った上で「日本経済は回復が微妙な段階。『高市トレード』で人々の期待が変わるきっかけになっているときに利上げをしないでほしい」と語った。
一方で、「利上げが未来永劫不要ではない」とも指摘。景気の良しあしを表す需給ギャップ(経済の潜在的な供給力と需要の差)が需要不足の状態から解消しつつあるとし、「利上げを許容してよいタイミングは近づいている」と話した。「利上げがことし12月か来年1月か分からない」とも付け加えた。
物価の押し上げ要因として懸念される円安が進んでいることについては「為替は水準とスピードの問題を分けて考える必要がある」とした上で、「一般論として経済の回復過程では円安が追い風。輸出や投資が活発になる」と述べた。「(名目金利から期待インフレ率を差し引いた)予想実質金利が下がると円安は進む可能性がある」と話した。
もっとも、トランプ米大統領が一層のドル高を望まないため、円安・ドル高が進みそうになったら「口先介入などでドル安を維持しようとしてくる可能性が高い」との見通しを示し、一気に円安が進むことはないと述べた。当面「1ドル=155円を超えて円安が進むとは考えにくい」という。
円安のスピードが加速する場合は、為替介入と政策金利の引き上げを対応手段として挙げた。「昨年の日銀の利上げは急激な円安への対応」との見方を示した。
米国の貿易赤字を問題視するトランプ米大統領が日本に円安是正を求めてくる可能性は低いとした。「トランプ大統領(の経済・通商政策)は関税と投資に集中している」と指摘。「米国が為替で日本に強く要求することはない」と予想した。
このほか、石破茂政権下で合意した5500億ドル(約80兆円)の対米投融資について、「計画の決定権が日本側にない」と問題視した。
(竹本能文、山崎牧子 編集:久保信博)
(9日送信の以下の記事で本文4段落目の「予想実質金利が低いため、1ドル=155円を超えて円安が進むとは考えにくい」との発言を訂正します。予想実質金利と為替水準に関する発言は別の文脈であることを明確にしました。)
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