[27日 ロイター] - アナリストはプラチナとパラジウムの2026年の価格予想を大幅に引き上げた。鉱山からの供給の逼迫、関税を巡る先行き不透明感、金の投資需要からの資金シフトが理由。プラチナは年間ベースで過去最高に近い上昇で、パラジウムも17年以来の好調な値動きとなっている。
プラチナとパラジウムのスポット価格は年初来でそれぞれ約76%、56%上昇している。金の史上最高値更新と同時に現物が米国の在庫に流れたことが支えとなって価格が上昇した。
スタンダードチャータード銀行のアナリスト、スキ・クーパー氏は「われわれはプラチナ価格が今後さらに高値を試し、深刻な供給不足は26年も続くとみている」と述べた。その上でプラチナ相場の主な材料として、中国での先物取引立ち上げの可能性、中国の宝飾品メーカーのプラチナ在庫積み増しによる宝飾用需要の低迷継続、利益確定に伴うプラチナ連動型上場投資信託(ETF)からの資金流出による現物の供給逼迫の一時的緩和を挙げた。
アナリストとトレーダー30人を対象とした調査の予想中央値によると、プラチナの26年平均価格は1オンス=1550ドルで、3カ月前調査の1272ドルから上方修正された。今年の平均価格予想は1249.50ドル。
米輸入関税に関する不透明感も今年のプラチナ族金属市場の主要な価格押し上げ要因となっている。ただ、今月中に発表が見込まれる米国の重要鉱物輸入に対する新たな関税調査の結果によって、見通しはよりはっきりすると予想されている。
パラジウムは、米国で主要生産国ロシアからの輸入に関税を課す案が浮上しており、こうした懸念が26年まで続く公算が大きい。ロイター調査によると、パラジウムの26年平均価格予想の中央値は1オンス=1262.50ドルで、前回調査の1100ドル、25年予想の1106ドルをいずれも上回った。
パラジウムの価格は、電気自動車(EV)の普及拡大によってガソリン車の排ガス浄化装置用の需要が減少するとの見方から、この4年間下落していた。
ストーンXのアナリスト、ローナ・オコンネル氏は「EVの普及には一部で反動も見られるが、それでもパラジウム市場には“ダモクレスの剣(非常に高いリスクがあることのたとえ)”が垂れ下がっている」と述べ、EVシフトが進めば需要減少は不可避との見方を示した。
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