トランプ氏、米地上軍派遣を否定 ウクライナ「安全保証」検討開始

[ワシントン/ロンドン/キーウ/アンカラ 19日 ロイター] - トランプ米大統領は19日、米国によるウクライナの「安全の保証」への関与について、米軍の地上部隊を派遣する可能性を否定した。和平合意の一環として、空軍を通じた支援を行う可能性はあるとした。
トランプ米大統領は18日にホワイトハウスで行ったウクライナのゼレンスキー大統領との会談で、米国がウクライナ戦争終結のためのいかなる合意においてもウクライナの安全保証を「支援する」と表明した。
トランプ大統領はFOXニュースとのインタビューで「安全保証に関しては、(欧州諸国は)地上部隊の派遣に前向きだ。われわれは特に空軍による支援などを通じ、彼らを支援する用意がある」と語った。
ホワイトハウスのレビット報道官は、空軍による支援について「選択肢かつ可能性」と確認しつつも、詳細には踏み込まなかった。
一方、米当局者や関係筋は19日、米国と欧州の軍事計画担当者がウクライナの「安全の保証」について検討を開始したと明らかにした。
当局者らは、国防総省が武器提供以外に米国ができる支援について検討していると語ったが、軍事的に実現可能で、かつロシアが受け入れ可能な支援内容をまとめるには時間がかかるとの見方を示した。
関係筋2人はロイターに、欧州軍をウクライナに派遣し、その指揮統制を米国が担う選択肢もあると語った。北大西洋条約機構(NATO)軍ではなく、各国部隊として活動する構想だという。
国防総省とNATOはコメント要請に応じていない。
ロシア外務省は、和平合意を支援するためのNATO諸国からの軍隊派遣を拒否している。
<プーチン大統領とロシアの動き>
トランプ米大統領は22日、ウクライナ和平に向けた進展がなければ2週間以内にロシアに制裁を科すと警告し、米アラスカ州で行ったロシアのプーチン大統領との会談から1週間が経過しても具体的な動きが見られないことにいら立ちを募らせた。米アラスカ州アンカレッジで15日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
トランプ大統領はFOXとのインタビューで、ロシアのプーチン大統領がウクライナにおける紛争の終結に向けて「ディール(取引)を望まない可能性もある」とし、今後2週間でプーチン氏の行動を評価すると述べた。
プーチン氏が紛争終結に向けて前進することを望むとしつつも、合意に至らなければ、プーチン氏は「厳しい状況」に直面すると警告した。
トランプ氏は、プーチン氏とゼレンスキー氏の会談の手配を始め、両首脳の会談に続き、自身も含めた3者会談を行う考えを示しているものの、ロシア側はこれまでに、ロシア・ウクライナ首脳会談について明確なコミットメントを示していない。
ラブロフ外相は19日、ロシアはウクライナ和平を巡りいかなる形式での協議も拒否しないとしつつも、首脳会談は「最大限の綿密さをもって準備されなければならない」と述べた。
ウクライナでの戦闘に収束の兆しも見られない。ウクライナのエネルギー省は19日、中部ポルタワ州のエネルギー施設が夜間にロシア軍の巡航ミサイルと無人機(ドローン)による攻撃を受け、大規模な火災が発生したと発表。ウクライナ当局者はロシアのプーチン大統領が平和を望んでいないことの表れだと非難した。
ただ、ロシアとウクライナはこの日、戦死した兵士の遺体を相互に返還。ウクライナ当局によると、ロシアはこの日、戦死したウクライナ兵1000人の遺体をウクライナに返還した。タス通信によると、ロシアは見返りにロシア兵19人の遺体を受け取ったという。
<活発な外交活動続く>
ウクライナを支援する「有志国連合」はこの日協議を開き、ロシアへの圧力を強めるための追加制裁について協議した。また、ウクライナへの安全の保証確保に向けた計画を進めるため、今後数日中に担当チームを米国に派遣し、会合を開くことで合意した。
ゼレンスキー大統領はXへの投稿で「有志国連合の全メンバー、特に米国と、安全保証の構造についてあらゆるレベルで具体的な作業に積極的に取り組んでいる」と述べた。
また、NATOの軍事指導部は20日に会合を開き、ウクライナ問題を協議するため会合を開く見通し。これに先立ち、ルッテNATO事務総長はこの日、トルコのエルドアン大統領氏と電話会談を行い、ウクライナに対する実現可能で持続可能な安全の保証について協議した。このほか、ルビオ米国務長官がトルコのフィダン外相と電話会談を行い、戦争終結に向けた措置などについて話し合った。

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