
7月10日、欧州連合(EU)欧州委員会が、ウクライナに侵攻したロシアへの制裁の見直し策として、ロシア産原油の取引価格上限を変動させる案を今週提出する見込みとなった。ブリュッセルで2023年11月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)加盟国は27日にブリュッセルで開いた会合で、欧州委員会が3月に提案した1500億ユーロ(1707億ドル)のEU武器基金の創設計画を承認した。ロシアが数年以内に攻撃に踏み切ったり、米国が欧州の安全保障への関与を後退させることへの不安の高まりが背景。
「欧州安全保障行動(SAFE)」という枠組みを作り、EUが共同で借り入れを行って共同防衛プロジェクトを対象に加盟国向けに融資を行う。今回の承認で創設に向けた最終的な法的手続きがクリアされた。
外交筋によると、枠組み創設の是非を問う投票では加盟27カ国のうち26カ国が賛成し、ハンガリーだけが棄権した。
2025年上半期のEU理事会議長国を務めるポーランドはX(旧ツイッター)に「われわれはSAFEを採択した。これはEUレベルにおける初の大規模防衛投資プログラムだ。安全保障への投資を増やせば増やすほど、われわれに危害を加えようとする者をより強く抑止できる」と投稿した。
SAFEの資金支援を受けるには、プロジェクトの評価額の65%以上が、EU、欧州経済領域(EEA)、またはウクライナに拠点を置く企業によって構成されていることが必要。ただし、EUと「安全保障・防衛パートナーシップ協定」を結んでいる国の企業も、一定の条件を満たせば参加資格がある。
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