
米共和党のトランプ前大統領は15日、副大統領候補にオハイオ州選出のJ・D・バンス上院議員(39)(写真)を選出した。2022年9月撮影(2024年 ロイター/Gaelen Morse)
[ミルウォーキー 15日 ロイター] - 米共和党のトランプ前大統領は15日、副大統領候補にオハイオ州選出の上院議員で、ベストセラーとなった回想録「ヒルビリー・エレジー」の著者としても知られるジェームズ・デービッド・バンス氏(39)を選出した。
選挙戦の激戦州オハイオ州出身のJ・D・バンス氏はベンチャーキャピタリストから政治家に転身し、かつてはトランプ氏を辛辣に批判した過去もある。
トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「長らく熟考を重ね、他の多くの素晴らしい才能を持つ人々を考慮した後、副大統領として最もふさわしい人物は偉大なるオハイオ州のバンス上院議員と決定した」と投稿した。
発表直後、バンス氏は共和党全国大会の会場に拍手で迎えられて姿を現したが、発言はなかった。
同氏の選出は選挙戦を左右する「ラストベルト(さびた工業地帯)」と呼ばれる州の一部でトランプ氏の得票を押し上げる可能性がある。しかし、断固とした保守主義者であるバンス氏は多くの新規有権者をトランプ氏に呼び込むことはないとみられ、一部の穏健派を遠ざける可能性さえありそうだ。
トランプ氏支持者の中には、白人男性に偏っている支持層を拡大するために女性か有色人種を副大統領候補に選ぶよう求める声もあった。
副大統領候補にはルビオ上院議員らの名前も挙がっていた。
この件に詳しい複数の関係筋によると、バンス氏を推していたのはトランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏と保守派コメンテーターのタッカー・カールソン氏だった。
何人かの献金者はこの人選に失望したとロイターに語ったが、別の献金者である石油実業家ダン・エバーハート氏はバンス氏の選出について、バイデン大統領との選挙戦におけるトランプ氏の自信の表れだと指摘。「トランプ氏が副大統領に特定の層や州からの支持を呼び込ませる必要はないと考えていることを示している」と語った。
バンス氏の急速な台頭は米政界では異例。同氏はオハイオ州南部で貧しい幼少期を過ごした後、海兵隊に所属し、奨学金を得てエール大ロースクールに通い、その後サンフランシスコでベンチャーキャピタリストとして働いた。
2016年の米大統領選前後にはトランプ氏を「ばか(idiot)」、「アメリカのヒトラー」などと厳しく批判したこともあるが、22年のオハイオ州上院議員選挙に出馬する準備を進める中でトランプ氏の擁護者に転換し、一貫して同氏を支持している。
元ベンチャー・キャピタリストでもあるバンス氏は、トランプ氏陣営とシリコンバレーの裕福な献金者との橋渡し役も務めている。
<トランプ氏の「クローン」>
一方、民主党のバイデン大統領は15日、政策問題に関してバンス氏はトランプ氏の「クローン」だと記者団に語った。バイデン陣営は記者団との別の電話会見で、バンス氏が中絶の権利に反対したことがあると批判した。
バンス氏は最近、トランプ氏と同様、中絶薬の使用に関する連邦政府の制限に反対していると述べたが、過去には中絶制限への支持をたびたび表明している。
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