[シドニー/ウェリントン 29日 ロイター] - オセアニア外国為替市場で豪ドルとニュージーランド(NZ)ドルは狭いレンジでの取引となった。米国が新たな対中関税を準備する中、投資家の間で慎重姿勢が広がっている。
直近の豪ドルの対米ドル相場は、1豪ドル=0.7345米ドル。28日の安値(0.7321米ドル)から小幅上昇している。
米国が2000億ドル相当の中国製品に課す関税について、一般からの意見を求めるパブリックコメント期間が9月5日まで設けられている。
キャピタル・エコノミクスは、米国とメキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の2国間協議で合意に達したことに言及し、「米政権が貿易を巡り交渉・譲歩する意向があることを示唆すれば、中国と欧州はおそらく歓迎するだろう」と指摘した。
その上で「米国とメキシコの間の合意は、他国との間でも交渉が進展するという保証にはならない」とし、NAFTAを巡る新たな合意の内容は依然として保護主義的だとの見方を示した。
アナリストはおおむね、トランプ米大統領と中国との関税戦争がエスカレートすれば新興国資産に悪影響を与え、世界の株式にネガティブとなると予想している。これを受けて豪ドルが押し下げられる可能性もある。
NZドルの対米ドル相場は1NZドル=0.6712米ドルと、28日の安値(0.6677米ドル)から若干上昇。
NZ国内では、オーストラリア・ニュージーランド銀行が30日に発表する8月のNZ企業信頼感指数が注目されている。弱い内容となればNZドルの軟化につながる可能性がある。
豪国債先物は下落。3年物が1.5ティック安の97.930、10年物が2ティック安の97.42。