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焦点:米主導の北朝鮮圧力は崩壊か、中ロが制裁緩和でタッグ

[ソウル 17日 ロイター] - 北朝鮮の制裁緩和を求めた中国とロシアの国連決議案は、米国への圧力を高めるものだ。北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄するよう、国際社会が結束して説得する努力がついえる可能性も示唆している。

12月17日、中国とロシアは16日、海産物や繊維製品の輸出禁止措置の解除や、北朝鮮からの海外出稼ぎ労働者受け入れの規制緩和を安全保障理事会に提案した。写真は、北朝鮮がミサイルとみられる飛翔体を発射する瞬間を放映した韓国の番組。10月31日、ソウルで撮影(2019年 ロイター/Heo Ran)

ロイターが入手した決議案によると、中国とロシアは16日、海産物や繊維製品の輸出禁止措置の解除や、北朝鮮からの海外出稼ぎ労働者受け入れの規制緩和を安全保障理事会に提案した。

この提案が出てきたのは、北朝鮮が指定した年末の対米交渉期限が近づく極めて重要なタイミングだった。北朝鮮の対応を巡る国際社会の亀裂が浮き彫りになった形だ。

安保理で拒否権を持つロシアと中国は、北朝鮮に「最大限の圧力をかける」とするトランプ米政権下での制裁決議で、投票の鍵を握ってきた。

米国は、国連制裁の解除を検討するのは早計だと主張。北朝鮮に交渉の再開を呼び掛けている。

<中ロは北朝鮮の次の一手を警戒か>

米朝が昨年に緊張緩和ムードを醸成して以来、ロシアと中国は制裁緩和への支持を訴えてきた。今回の安保理への決議案提出は、米国への国際的圧力が新たなレベルに入ったことを意味すると、専門家はみている。

中国の国連大使は先週、交渉が行き詰まり、緊張が高まっているのは、非核化に向けて「前向きな取り組み」をしている北朝鮮の動きに応えられていないことが大きいと語った。

ウラジオストックにある極東連邦大学のアルティオム・ルーキン教授は「ロシアと中国の安保理提案は、北朝鮮と足並みを合わせている可能性がある。北朝鮮がこれまでに行ってきた譲歩の見返り要求を映したものだからだ」と指摘。「行動をエスカレートさせるぞ、という北朝鮮の最近の脅しを中ロの外交攻勢が支える格好だ」とした。

ルーキン教授は、中ロが米国の北朝鮮戦略を効果的に弱めていると分析。「北朝鮮は超大国間の対立に乗じるという、比類ない能力を再びいかんなく発揮している」と述べた。

中国外務省の耿爽報道官は17日、安保理が今回の決議案を巡って合意形成することを望むと述べ、米朝に対話の継続を求めた。

米国の同盟国であり、交渉の一環として制裁の一部緩和に前向きな韓国は17日、緩和は安保理諸国の意見が一致することによってのみ可能になるとして、交渉再開に向けた外交努力を呼び掛けた。

アナリストからは、中ロが朝鮮半島の安全保障問題を巡り、連帯強化を見せつけているとの指摘もある。

極東地域を分析するウェブサイト「シノNK」のアンソニー・リンナ氏は、中国が進める北東地域の振興計画と、極東におけるロシアの経済権益双方にとって、北朝鮮の制裁緩和は欠かせないと話す。

「中国政府はこのところ、北朝鮮に制裁緩和は必須との見解を示している」と、リンナ氏は話す。鉄道インフラと海外出稼ぎ労働者を巡る制裁解除の呼び掛けは、ロシアの主要な経済権益にも関連するという。

北朝鮮の金正恩党委員長は対米交渉の期限を年末とし、制裁緩和などで米国が譲歩しなければ「新たな道」を選ばざるを得ないかもしれないと警告している。

中国とロシアは北朝鮮が取り得る次のステップが何かを懸念しているように見えると、専門家は指摘する。制裁緩和の呼び掛けは、北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を再開するのを回避する方策の一環だと、彼らは見ている。

中国とロシアが米国とその同盟国に歩調を合わせ、制裁強化に動いたのは、核実験やミサイル発射がきっかけだった。

<北朝鮮が超えてはいけない一線>

「ロシアは総じて、北朝鮮と一緒にやっていく上で圧力路線は間違った方法だと感じている」と話す。「北朝鮮が来年にかけて一段と挑発的な姿勢に出れば、中ロの北朝鮮に対する寛容さが厳しく試されることになるかもしれない」

北朝鮮に対する経済的な影響力は、中国のほうがより大きい。韓国の貿易団体がさきごろ公表したリポートによると、北朝鮮の昨年の対外貿易全体に占める中国の比率は91.8%。2001年は17.3%だった。

中国からなだれ込む旅行者は、北朝鮮にとって極めて欠かせない経済の生命線だ。両国間の密貿易も増えているとの報告もある。

ソウルにあるジョージ・メイソン大学コリアのアンドレイ・アブラハミアン客員研究員は「北朝鮮が来年、強硬なアプローチを思案しようとしても、こうした影響力のため北朝鮮は手を休める可能性がある」と予想する。

「北朝鮮は伝統的に中国の影響力に強く抵抗はするが、中国が北朝鮮を罰するつもりはないことを分かっており、本物の不安定化をもたらすほどまでは抵抗しない」

ワシントンのシンクタンク、ディフェンス・プライオリティーズのフェロー、ダニエル・デペトリス氏は、中ロが一緒になって金正恩氏をしばらく抑制させるでのはないかと指摘する。

「中国とロシアのレッドライン(越えてはいけない一線)がどこにあるかは分からないが、北朝鮮がICBMを発射したり、核実験を行えば、今の姿勢を変えるのは間違いないだろう」と、デペトリス氏は言う。

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