8月20日、政府筋は、安倍晋三首相と中国の習近平国家主席の首脳会談が実現した場合、経済問題が中心議題になるとの認識を示した。北京で昨年11月撮影(2015年 ロイター/KIM KYUNG-HOON)
[東京 20日 ロイター] - 政府筋は20日、安倍晋三首相と中国の習近平国家主席の首脳会談が実現した場合には、経済問題が中心議題になるとの認識を示した。日本から中国への輸出が中国経済の減速で減少していることを懸念、「経済で話すべきテーマは多い」と語った。
中国は9月3日に北京で予定されている「抗日戦争勝利記念日」に安倍首相を招待。9月3日の前後も含めて首脳会談の実現が模索されている。
政府筋は現時点で「行くとも行かないとも全く決まっていない」としながらも、「日中関係を前に進めるために、双方に首脳会談を行いたいとの思いはある。ただ、それが必ずしも9月3日、4日でなくても、秋には国連(総会)はじめ、(首脳が集まる国際会議などの)マルチの機会はたくさんある」と指摘した。
安倍首相の戦後70年談話に対する中国側の反応は「抑制的」で、今回、中国を訪問して首脳会談を開催するとなれば、過去2回のマルチの場での首脳会談と異なり「初の本当の(意味での)会談になる」と述べた。
もっとも「首脳会談をやりたいと思っているが、式典に関して譲れないところがある」とも語り「ニュートラル」と繰り返した。
日中間には、中国による東シナ海のガス田開発など懸案が山積している。「今語るべきテーマはたくさんある。特に経済で話すべきテーマが多い」と述べ、減速感が強まる中国経済の動向や、天津市の大規模爆発事故による日本企業へのダメージなどもテーマとなる見通し。
3四半期ぶりにマイナス成長となった日本の4─6月期(GDP)では、中国経済の減速による輸出の減少が景気を押し下げた。政府筋は「4─6月で気になるのは、中国への輸出が減少していることによるマイナスが大きい点。ここは要注意だ。中国経済の減速が明確に出ている。これに天津事故の影響がどう出てくるか心配だ」と語った。
そのうえで景気対策の必要性について「7─9期のデータをみながら判断していく」と述べ、経済対策を打つ場合でも、今年度税収の補正を踏まえ、今年末になるとみられる補正予算編成で対応していくことになるとの見通しを示した。
一方、経済が回復局面に入る中での格差問題に着目。「(第1次)安倍政権の時には対策が甘く、格差問題に火が付いた。今回は早めに手を打っておきたい」とも語り、貧困家庭の子供の教育問題などに手厚く対応することなどを挙げた。
吉川裕子 リンダ・シーグ 編集:田巻一彦
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