2月20日、米連邦準備理事会(FRB)が公表した1月29―30日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、複数の当局者が潜在的なコストをめぐる懸念から、雇用市場が改善する前に資産買い入れの縮小か停止が必要となる可能性があると指摘した。写真はバーナンキ議長。モスクワで15日撮影(2013年 ロイター/Sergei Karpukhin)
[ワシントン 20日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)が20日に公表した1月29―30日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によると、複数の委員が潜在的なコストをめぐる懸念から、雇用市場が改善する前に資産買い入れの縮小か停止が必要となる可能性があると指摘した。
議事録では「資産買い入れの効果、コストおよびリスクを継続的に評価した結果、FOMCとして労働市場の見通しが大幅に改善したと判断する前に買い入れを縮小または停止することになる可能性もあると複数の参加者が述べた」としている。
1月のFOMCでは月額850億ドルの資産買い入れ継続を決め、労働市場の見通しが著しく改善するまで、資産購入を続ける方針をあらためて示した。
米経済は2012年第4・四半期に急減速したが、1月の会合でFRB当局者は、景気の足踏みにもかかわらず経済は引き続き緩やかな成長軌道にあるとの認識を示した。
議事録の発表を受けてドルは上昇し、米国株は下落。S&P総合500種<.SPX>は昨年11月中旬以来で最大となる1日あたりの下落率となった。金価格は昨年7月以来の安値をつけたほか、株式市場の下落を受けて米国債価格は上昇した。
TDセキュリティーズのミラン・マルレイン氏は顧客向けノートで、「今回の議事録では、FOMCでここ数年にみられなかったほど意思が統一されていないことを示している」と指摘した。
議事録によると、1月の会合では多くの当局者が一段の資産買い入れによる潜在的なコストについて懸念を表明した。こうしたタカ派的な見方の一方で、時期尚早な資産買い入れ停止に伴うリスクを指摘する意見も出され、議事録は「一部の当局者は資産買い入れをあまりに早く縮小または停止することによる潜在的なコストを指摘した」としている。
また、アナリストの中には、複数の当局者が債券買い入れについて2013年末よりも相当前に買い入れペースを緩めるか、停止することが適当と考えたとする12月の前回会合を挙げ、1月の会合でこうした日程に関する言及がなかったことで間違いなくFOMCが一段とハト派的になったとする見方も出ている。
FOMC内部で意見の相違があることが明らかになり、来週行われるバーナンキFRB議長の議会証言に注目が集まりそうだ。
大半のアナリストは、FOMCで投票権を持つ中核メンバーが資産買い入れ政策を支持しているとみている。
TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は、資産買い入れのコストと利点をめぐり「活発な議論」が続いていることが議事録で明らかになったと指摘。その上で「FRBが即座に急ブレーキを踏むことはあり得ない」とし、「万一状況が著しく改善した場合、買い入れが縮小されるだろうが、状況が改善するかどうかは今年のもっと後にならなければ分からない」と述べた。
<新たな緩和手法を模索>
昨年終盤の政策変更で、FRBは、向こう1─2年のインフレ見通しがFOMCの長期目標である2%から0.5%ポイント以内に収まる限り、失業率が6.5%に低下するまでフェデラルファンド(FF)金利をゼロ付近に維持するとの方針を表明した。
1人の当局者は、追加の緩和策として失業率が6.0%に低下するまで実質ゼロ金利を維持することを提案した。
複数の当局者が1月のFOMCで、購入した債券の保有期間を現在の想定より長期化することで一段の金融緩和を提供する可能性について協議したことも明らかになった。
FRBのバランスシート規模は、債券買い入れにより2008年以降で3倍強に拡大し、約3兆ドルとなっている。
FRBはこれまでに、金融を引き締める時が来ればバランスシート規模を縮小すると表明している。今回の議事録では、3月の会合において非伝統的な政策の潜在コストに関する声明の表現を見直すとした。
米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は19日、米経済には改善の兆しが見られるものの、ぜい弱な労働市場を踏まえれば連邦準備理事会(FRB)の緩和政策は年内を通じて引き続き適切との見方を示した。ロイターとのインタビューで述べた。
*内容を追加して再送します。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」