欧州のレアアース生産、2030年でも必要量のごく一部=専門家

[ラロシェル(フランス) 8日 ロイター] - コンサルティング会社ベインのローラン・ミゴム氏は8日、電気自動車(EV)や風量発電用タービンに欠かせないレアアース(稀土類)について、欧州は2030年までに必要量のごく一部しか生産できないとの見通しを示した。レアアース市場を牛耳る中国の生産業者とのコスト競争に勝てないことを主な理由に挙げた。
中国は世界のレアアース生産の90%ほどを占めており、欧米諸国は近年、国内生産を増やし、中国への依存を減らそうとしている。
ミゴム氏はフランスのラロシェルで開かれたイベントで、レアアースは中国のバリューチェーンと欧州の潜在的なバリューチェーンの間に20―40%のコスト差があると指摘。そのため「現在の環境では欧州で永久磁石を製造するに十分なレアアースは望めない」とした。
業界筋によると、中国は欧州に比べて60-70%コストが低いこともあるという。
ミゴム氏によると、欧州はEVや風力タービン用の超強力永久磁石に使われるレアアース酸化物の需要が2030年までに最大50%増の年間3万トン、15億ユーロ相当に達するが、それまでに欧州が生産できる量は5000トン弱にとどまる見通しだ。
レアアース鉱山の65%が中国に集中している。中国以外で50件の開発プロジェクトが2030年までの生産開始を目指しているものの、レアアースが値下がりしている今の市場環境では、採算の取れる生産が開始できるのは2カ所ないし5カ所にとどまりそうだとミゴム氏は述べた。

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