<為替> ニューヨーク外為市場では、米国とイランが戦闘停止に向けた協議で合意に至る可能性があるとの観測を背景に、ドルがユーロなどの主要通貨に対して下落した。アジア時間の取引でドルは円に対し急落。日本政府・日銀による為替介入への警戒が続いている。
ニューヨーク市場終盤の取引で、ドル/円は1%安の156.385円。アジア時間の取引でドルは2月24日以来の安値となる155円台まで下落し、為替介入が再び実施されたとの観測が広がっていた。
日本は大型連休の最終日で取引は薄く、日本の財務省のコメントは得られていない。片山さつき財務相は4日、為替相場について「日米で昨年合意された覚書に沿って投機的な動きについては断固とした措置を取る」と述べていた。
ペッパーストーン(ロンドン)のシニア・リサーチ・ストラテジスト、マイケル・ブラウン氏は「公式なコメントはないものの、財務省が再び介入したと考えるべきだ」と指摘。「明確な材料がない中でこれほど大きく動くことは通常はない。『見えざる手』の存在を想定せざるを得ない」と述べた。
米国とイランの協議を巡っては、和平仲介に関与しているパキスタンの情報筋がこの日、両国は戦闘終結に向けた1ページの覚書で合意に近づいていると明らかにした。米ニュースサイトのアクシオスはこれに先立ち、トランプ米政権が、覚書でイランと合意に近づいていると認識していると複数の米当局者や情報筋の話として報じていた。
NY外為市場:
<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが低下した。米国とイランは戦闘終結に向けた1ページの覚書で合意に近づいているとの報道を受け、原油価格が急落した。
イランは米国の新たな提案を検討中だと明らかにしたほか、イラン国営ISNA通信によるとイラン外務省報道官は、同国はパキスタンを通じて近く回答を伝えると述べた。これを受け、原油先物は大幅に下落した。
セージ・アドバイザリーの共同最高投資責任者、トーマス・ウラノ氏は「中東情勢の解決に向けた動きが見えてきたことで、市場全体が沸き立っている」と指摘。最初の空爆の波は収束し、現在は停戦局面にあるとした上で、「事態を沈静化させることが双方にとっても世界にとっても最善の利益だ」と述べた。
ウラノ氏はまた、人工知能(AI)関連支出にけん引された力強い決算発表が経済成長の下支えとなり、連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が後退したことで、利回りの低下幅を抑えるのに寄与したと指摘した。
米ADPリサーチ・インスティテュートが発表した4月の全米雇用報告によると、民間雇用者数は前月比10万9000人増加し、2025年1月以来15カ月ぶりの大幅な伸びとなった。雇用関連指標では、7日に新規失業保険申請件数、8日に雇用統計が発表される。
米金融・債券市場:
<株式> 米国株式市場は、S&P500種株価指数とナスダック総合指数が過去最高値を更新して取引を終えた。中東紛争の解決に向けた兆しが相場を支える中、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の好調な決算が、半導体株などAI(人工知能)関連株の上昇を後押しした。
AMD(AMD.O)は約19%急騰し、史上最高値を付けた。データセンター向け半導体の堅調な需要を背景に、市場予想を上回る四半期売上高見通しを示したことを受けた。
イランが米国の新たな提案を検討していると伝わったほか、関係筋によると、米国とイランは戦争終結に向けた1ページの覚書で合意に近づいている。これを受けて世界の株式市場は上昇し、原油価格は急落した。ただ、イランの核開発計画などの難題は後の交渉に先送りされる見通しだ。
グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は「経済は順調に推移しており、景気後退に近づいているような真の危険信号はない。こうした状況を背景に、株式を保有するしかない」と述べた。
米国株式市場:
<金先物> 米国とイランの和平合意が近いとの報道を受け、インフレ高進や高金利長期化への懸念が和らぐ中、約1週間ぶりの高値を付けた。
中心限月の清算値(終値に相当)は、前日比2.8%高の1オンス=4694.30ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 米国時間の原油先物は7%超安となり、2週間ぶりの安値に急落した。米国とイランが和平合意に近づいているとの報道を受け、中東での戦争終結への期待が高まった。
清算値は、北海ブレント先物が8.60ドル(7.83%)安の1バレル=101.27ドル。米WTI先物は7.19ドル(7.03%)安の95.08ドルとなった。
仲介役を務めるパキスタンの関係筋によると、米国とイランは戦闘終結に向けた1ページの覚書で合意に近づいている。
NYMEXエネルギー:
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