
9月9日の東京市場は、週末の米雇用統計を受けて円高や米景気への警戒感がくすぶり、日経平均が寄り付きで3万6000円の大台を割り込んで一時1100円超安となるなど全面安の商いとなっている。写真は8月、都内で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)
[東京 9日 ロイター] - 週明け9日の東京市場は、週末の米雇用統計を受けて円高や米景気への警戒感がくすぶり、日経平均が寄り付きで3万6000円の大台を割り込んで一時1100円超安となるなど全面安の商いとなっている。一方ドル/円は朝方の142円台前半から後半へと円安よりに推移しており、底堅い値動きが相場を支持している。
市場関係者の見方は以下の通り。
◎3万5000円割れ視野、米大統領選通過まで不安定
<ニッセイ基礎研究所 チーフ株式ストラテジスト 井出真吾氏>
(米雇用統計の)非農業部門雇用者数は市場予想を下回ったが過度に弱いわけではない。米株安は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では25ベーシスでは利下げ幅は物足りないとの催促相場かもしれない。
米国の利下げ開始後も米景気をめぐる思惑は交錯するとみられ、米大統領選を通過するまでは不安定な相場は継続する可能性が高い。11日に予定される米消費者物価指数(CPI)の発表では、弱い数字がいいのか強い数字がいいのか、市場の解釈は難しくなりそうだ。今週はメジャーSQ(特別清算指数)算出を控えていることもあり、目先はボラティリティの高まりが想定される。
ドル/円の下げが限定的なら日経平均は3万5000円あたりが下値めどに意識されるが、ボラティリティの高まりを踏まえると、割り込んでもおかしくない。
一方、円売りポジションは8月の急落で解消が進んだ。相場が不安定になれば、日銀の利上げ警戒も後退し得る。8月のような調整にはならないのではないか。
◎日米中銀会合通過まで上値重い、為替にらみ継続
<GCIアセットマネジメント ポートフォリオマネージャー 池田隆政氏>
米雇用統計の結果は想定の範囲内で、そこまで強くも弱くもない数字だったとみている。ただ、雇用統計の発表と同時に売りを決めていた投資家が多かったとみられ、米国株の下げが強まったのではないか。為替相場では豪ドルが弱く、資源国通貨が弱いときはヘッジファンドの売りが出ているケースが多いため、世界的にはややリスクオフに傾いているようだ。
日本株は8月初旬の急落時から戻りが速かったため、揺り戻しは入ると想定していた。ある意味、2番底をつけたほうが相場としては健全で、日経平均はどの程度で耐えられるかがポイントとなりそうだ。下値めどとしては3万5000円を維持できるかが注目される。一方、急速な円高進行がみられれば日本株の売りは強まりやすく、為替にらみの展開は続きそうだ。ドルが140円台を割れた場合は、日経平均は3万1000―3万5000円のレンジになるのではないか。
来週には日米の金融政策イベントを控え、ポジションを膨らませる投資家は少ないので、基本的には金融政策イベントが終わるまでは買いづらく、下振れを警戒したほうがよいとみている。
◎米雇用統計は利下げ幅の決定打ならず、ドル/円はレンジ
<外為どっとコム総研 調査部長 上席研究員 神田卓也氏>
米雇用統計からは、雇用情勢の緩やかな悪化が改めて確認されたが、市場が焦点を当てている9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅がどうなるかの決定打にはならなかった。米連邦準備理事会(FRB)高官の発言も50ベーシスの大幅利下げを正当化するほどではなかった。
短期的にドルの下値余地は限定的だろう。一方、当面は利下げの局面は続くと考えざるを得ず、戻りも限られる。すぐに140円を割れる方向ではなくても、145円に戻すのも苦しくなった。
次の手掛かり待ちとなっており、今週の米消費者物価指数(CPI)で9月の利下げ幅を推し量ることになる。FOMCまでは140─145円のレンジ推移とみている。
◎二番底形成か、目先は米テレビ討論会後のドル円に注目
<大和証券 シニアストラテジスト 細井秀司氏>
日本株に対するボラティリティが高まっており、為替のドル安/円高を嫌気した株売りが加速している。市場では8月の株価大暴落に次ぐダブルボトムが警戒されているが、チャートの形状から考えると、もう一度ボトムを付けておいた方が年末の株高に向けて戻りが強くなると考えることもできる。ただ、もう一段ボトムを付けるとなるとボラティリティが足元より更に上昇することが考えられるため、短期的にはあまり考えたくないシナリオだ。
年末の株価の行方は、引き続きドル/円に大きく左右されるだろう。例えば、ドル/円が130円付近に振れるなど急速な円高進行がみられた場合、株価の上値は重くなる。今週は10日に米大統領選のテレビ討論会が予定されており、トランプ氏が優勢になった場合はドル安/円高が加速する可能性があり、注意が必要だ。
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