
2025年11月21日、都内で撮影)。REUTERS/Kim Kyung-Hoon
[東京 24日 ロイター] - 総務省が24日に発表した2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数、コアCPI)は、前年比1.6%上昇した。伸び率は前月の2.0%上昇から縮小し、2022年3月以来の2%割れとなった。政府の電気・ガス代金支援やガソリン暫定税率廃止でエネルギー価格の下落率が拡大したほか、生鮮食品を除く食料の伸び率もさらに鈍化した。
米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃に端を発する原油価格高騰の影響はまだ出てきていない。市場では、原油価格上昇分の転嫁が進むことでコアCPIが2%を下回る期間は長くは続かず、今年の年末には3%程度まで加速する可能性があるとの声が出ている。
コアCPIは、ロイターが集計した民間調査機関の予測中央値1.7%上昇を下回った。
エネルギー価格は9.1%下落と、前月の5.2%下落から下落率が拡大した。電気代が8.0%下落、都市ガス代が8.2%下落と、前月より大きな下落率となった。ガソリンは14.9%下落。ガソリン暫定税率廃止と電気・ガス代金支援などにより、総合指数を0.94%ポイント押し下げたが、前年の施策の反動で0.61%ポイント分相殺された。
生鮮食品を除く食料は5.7%上昇と、伸び率は前月の6.2%を下回った。7カ月連続で伸び率が縮小した。コメ類は17.1%上昇で、前月の27.9%上昇を大きく下回った。前月比で下落が続いている。
コア対象522品目のうち、上昇が382、下落が107、変わらずが33。上昇品目は前月の385をわずかに下回った。
財・サービス別では、財価格が1.2%上昇に伸びが鈍化する一方で、サービス価格は1.4%上昇で前月と変わらず。財とサービスの伸びが逆転するのは24年1月以来。
総合指数は1.3%上昇し、伸びは前月の1.5%上昇から縮小。生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は2.5%上昇し、こちらも伸びは前月の2.6%上昇から縮小した。
<コアCPI、年末3%付近に加速との予想も>
中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰していることで、コアCPIの前年比伸び率が2%を下回る期間は従来の想定より短くなるとの見方が市場で出ている。
UBS証券の栗原剛・次席エコノミストは、コアCPIが2%を下回る期間は「今年の第2四半期頃までとかなり限られた期間となる可能性が高い」とみている。従来は年末まで継続して2%を下回ると予想していたが、原油価格の見通し引き上げが予想を変えた。
UBSは、イラン戦争が4月初旬まで続き、ホルムズ海峡経由の原油流通が大幅に抑制されることで、北海ブレント原油価格が一時120ドルまで上昇し、今年の年末にかけてゆるやかに80ドルまで下がっていくと予想。ドル/円は第3四半期まで158円で推移した後、第4四半期に152円に落ち着くシナリオを想定している。
栗原氏は「原油価格の高騰も、円安同様に間違いなく以前よりも価格転嫁がされやすくなっている」と指摘する。エネルギー価格高騰の転嫁が進み、年末にはコアCPIの伸びが3%近くまで再び加速していく可能性があるとみている。
和田崇彦
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