独、債務ブレーキの停止検討 経済閣僚対立で連立政権の亀裂露呈

独経済相、債務ブレーキ制度を批判 連立政権の亀裂露呈
ドイツのハーベック経済相は20日、財政赤字を抑制する同国の債務ブレーキ制度が「柔軟性に欠ける」とし、リントナー財務相の補助金削減に関する発言を批判した。17日撮影。(2023年 ロイター/Annegret Hilse/File Photo)
[ベルリン 20日 ロイター] - ドイツのハーベック経済相は20日、財政赤字を抑制する同国の債務ブレーキ制度が「柔軟性に欠ける」とし、リントナー財務相の補助金削減に関する発言を批判した。連立政権内の亀裂が浮き彫りになった形だ。
ある関係筋によると、政府は財政逼迫を打開する方法として、憲法で定められた債務ブレーキを一時停止するかどうかを検討しているという。ショルツ首相の与党・社会民主党(SPD)も一時停止を求めている。
憲法裁判所は先週、新型コロナウイルス対策向けの未使用金600億ユーロをグリーン事業や産業支援に振り向けることを認めない判決を下しており、連立政権は代替財源を確保を急いでいる。
予算担当者の書簡によると、財務省は一時的に連邦予算全体の支出計画を凍結した。資金不足への危機感の表れといえる。
政府関係者は、計画中の半導体工場や電池の供給網拡大、鉄鋼の脱炭素化などドイツの産業競争力に重要な分野でプロジェクトが危機に直面していると警告した。
ハーベック氏は積極財政を重視する緑の党に所属。憲法裁の判決により、グリーン経済への移行や雇用の維持を支える政府の能力が大幅に損なわれる恐れがあると警告している。
これに対し、財政規律を重視する自由民主党(FDP)所属のリントナー氏は増税や歳出ルールの緩和に反対。従来より少ない補助金でより多くのことを成し遂げる必要があると主張している。
ハーベック氏はリントナー氏の主張について「理屈だけの話だ。現実は違う」と主張。債務ブレーキ制度の廃止を提案するつもりはないが「柔軟性に欠けている」とし、国内経済が成長しておらず、高インフレやエネルギー高騰といった課題があると指摘した。
財務省はコメントを差し控えた。

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