[キーウ/ワシントン 8日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ウクライナ軍のザルジニー総司令官の更迭を発表した。後任に陸軍のオレクサンドル・シルスキー司令官を充てる。
国民的英雄と見られているザルジニー氏と大統領の間に亀裂があるとの憶測が出ていた中、同氏の解任は前線部隊の士気に影響を与えるほか、大統領の評価にも傷がつく可能性がある。
ゼレンスキー氏は声明で「きょうから新しい指導部がウクライナ軍を引き継ぐ」と表明した。ウメロフ国防相も、軍の指導者を交代させる決定が下されたと声明で発表した。
ゼレンスキー氏は声明で、ザルジニー氏とウクライナ軍に必要な刷新について協議したとし、誰が軍の新たな指導者に得るかについても話し合ったと表明。ザルジニー氏に自身のチームにとどまるよう要請したとした。
ザルジニー氏は自身の声明で大統領と「重要かつ真剣な対話」を行い、戦術と戦略を変更することを決定したと表明。「(ロシアによる全面侵攻が始まった)2022年の課題と24年の課題は異なる」とし、「勝利するために、誰もが新しい現実にも適応しなければならない」と述べた。
ゼレンスキー氏は軍を率いたザルジニー氏への謝意を示し、2人が笑顔で握手している写真を投稿した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ウクライナ軍のザルジニー総司令官の交代を発表した。後任に陸軍のオレクサンドル・シルスキー司令官(写真)を充てる。1月撮影(2024年 ロイター/Valentyn Ogirenko/File Photo)
発表後、「鉄の将軍」として知られたザルジニー氏への感謝のメッセージがソーシャルメディアにあふれた。
昨年終盤の世論調査では、国民の90%以上がザルジニー氏を信頼していると回答。ゼレンスキー氏の77%を大きく上回った。
ゼレンスキー氏は、ザルジニー氏更迭を決めた背景には昨年の失敗があったと示唆。「この戦争の2年目、われわれは黒海を制した。冬を制した。ウクライナの空を再び支配できることを証明した。しかし、残念なことに地上では国家の目標を達成できなかった」と述べた。
「ユキヒョウ」のコールサインで呼ばれる後任のシルスキー氏(58)については、22年のキーウ防衛と同年のハリコフ反攻を指揮した際の功績を挙げた。
一方、米国のセレステ・ワランダー国防次官補(国際安全保障問題担当)は、ウクライナはロシアとは異なり、軍を民主的に文民が統制していると指摘。「米国は民主的に選ばれた政府、指導者であるゼレンスキー大統領が誰を総司令官に選んだとしても決定を尊重し、共に働く」と述べた。
シルスキー氏については「経験豊富で成功した司令官」だと指摘した。
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