[16日 ロイター] - 米議会共和党は15日、税制改革法案・
最終案の概要を発表した。下院では19日の採決、上院ではその後の採
決が予定されている。
同法案は今後10年で米国の債務を約1兆5000億ドル(経済成
長を考慮すると約1兆ドル)増加させるとの試算がある。
法案の概要は以下の通り。
◎法人税制の変更
<法人税x率>
法人税率を現行の35%から21%に引き下げ。実施は2018年
1月1日から。
<パススルー事業体への課税>
個人事業主やパートナーシップなどのパススルー事業体への課税で
は、事業所得の31万5000ドルまでについて20%の税控除を設定
。これを超える所得については控除の上限を段階的に適用し、実効税率
を最高で29.6%とする。
<法人向けの代替ミニマム税(AMT)>
法人向けAMT(税率20%)を廃止。
<企業の海外利益>
米国企業が海外で稼いだ利益にも税を課す「全世界所得課税方式」
を廃止。今後は米国企業が海外で得た利益の大半について米国の所得税
の課税を免除。
<海外利益の本国移転>
米国企業が海外に留保する利益を米国に戻す際に1回限りの課税を
行い、税率は現金・流動資産で15.5%、固定資産で8%とする。企
業の海外保留利益の還流促進が狙い。
<税源浸食対策>
企業が利益を米国から低税率の外国に移転するのを阻止する条項を
導入。具体的には、米国企業と外国企業間の資金移動へのAMT課税や
特許などの無形資産の移管を通じた所得移転の制限など。
<設備投資の即時償却>
設備投資の全額を課税所得から控除する「即時償却」を5年間適用
し、6年目からは控除対象を段階的に縮小。
<債務利払い費の税控除制限>
債務利払い費用の税控除を課税所得の30%までに制限。
<クリーンエネルギー>
風力やバイオマス、地熱、太陽光や水力などの再生可能エネルギー
による発電への税控除を継続。
<成功報酬への課税>
プラベートエクイティ(PE)のファンドマネジャーなどが「成功
報酬(キャリードインタレスト)」として受け取った所得に対し、所得
税率よりも低いキャピタルゲイン税率を適用することを認める現行税制
の「抜け穴」をおおむね維持。ただ、キャピタルゲイン税率を適用する
条件として現在設定されている最低1年の投資期間を最低3年に延ばす
ことで、税優遇の対象を制限する。
◎個人税制の変更
<所得区分>
所得税の税率区分で現行の7区分を維持。税率は納税者の所得に応
じ、10、12、22、24、32、35、37%とする。高額所得者
に対する最高税率は現行の39.6%から37%に引き下げ。
最高税率区分は夫婦合算申告で年間所得60万ドル以上、単身世帯
で50万ドル以上に適用。2025年までの時限措置。
<基礎控除>
基礎控除は単身世帯で1万2700ドル、夫婦の場合は2万400
0ドルとし、それぞれ現行の2倍に引き上げる。
<子供控除>
扶養している17歳未満の子供に対する税控除は、現在の1人当た
り1000ドルから2000ドルに引き上げる。
<人的控除を廃止>
1人当たり4050ドルの人的控除を廃止。
<相続税>
遺産税・贈与税の税控除を現行の1人当たり500万ドルから10
00万ドルに拡大。
<住宅ローン>
2018年1月1日から2025年12月25日までに購入された
住宅については、住宅ローン利子控除を適用するローン総額の上限を7
5万ドルに引き下げる。
2025年12月31日より後は、上限を現行の100万ドルに戻
す。持ち家の正味価値を担保として借り入れる「ホームエクイティ」ロ
ーンの利子は控除の対象から外す。
<その他の条項>
医療保険制度改革法(オバマケア)を見直し、連邦政府が医療保険
に加入していない個人に科す罰金を廃止。アラスカ州の北極圏国立野生
生物保護区の石油掘削を認可。
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