[上海 15日 ロイター] - オンライン百科事典「ウィキペディア」の運営団体であるウィキメディア財団は15日、中国当局がウィキペディアを遮断(ブロック)したと明らかにした。
財団の広報担当者は電子メールで、「4月時点で、ウィキペディアのアクセスが不能になっていると判断した。内部の通信状況を精査した結果、全言語のウィキペディアがブロックされたことを確認した」と述べた。
中国では、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどほかのサイトは長期間ブロックが続いている。
ウィキペディアの全言語遮断は、4月末に一部インターネット利用者がソーシャルメディアでアクセスできなくなったと投稿したことから表面化。中国のインターネット検閲を追跡している組織GreatFire.orgの調査で、ウィキペディアは4月23日以降、中国国内からアクセスできなくなっていることが分かった。
同広報担当者は、財団は遮断の理由について説明を受けていないとし、「ある国または地域、あるいは文化がウィキペディア上で世界的な対話に参加することができなければ、世界はより貧しくなる」と付け加えた。
中国のインターネット当局は、大きな政治イベントやセンシティブな記念日の前にしばしば検閲を強化する。今年の6月は、1989年6月4日に民主化を求めるデモ隊を軍が鎮圧した天安門事件から30周年に当たる。
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